透明水彩画基礎講座 ―(1)基本用具(2)基本用語(3)基本技法―
1水彩画用具(画材)
画用紙、絵の具、パレット、筆、鉛筆、消しゴム、筆洗器、イーゼル、雑巾
(スポンジ)、ティッシュペーパー、イス。
2水彩画用語 (1〜37)
1 明度 バリュー。色の明るさの度合をいい、明るい色は明度が高くなります。
2 彩度 色の鮮やかさの度合をいい、彩度の高いものほど鮮やかに見えます。
3 色相 赤、青、黄、緑色などの色をいいます、色感の三要素の一つ。
4 暖色と寒色
一般的に暖色は赤系で膨張色、暖かく感じる色。寒色は青系で冷たく
寒く感じる色をいいます。
5 補色
色環図で対抗する色をいい、絵を鮮やかに見せたいときにはその補色を
横に置くと強調されます。
6 配置
絵の中のどこに何を配置するか。表現意図が思うように画面に表れてい
ることが大切です。
7 構図
描きたい主題やテーマなどを清新、動的、力強さ、変化、安定感など感
じさせる構図とし、絵として統一感をもたせましょう。
8 単純化
複雑な構成の場合、不要なものを省略することで主題を一段と輝かせる
ことができます。
9 輪郭
物の外形を形づくっている線。
10下書き
鉛筆で書いた色づけする前の状態。下書きが絵の具でみえなくならない
ように濃くはっきりと書いておく。うすく塗る雲などの部分は薄く書き
目立たないようにする。
11 フレーム
手の指で四角をつくり描く範囲を決める枠のこと。また、描いた絵を入れ
る枠。
12 プロポーション
割合、比率。対象物には必ず固有の高さ、幅、奥行があります。これが正
しく表現されていること。
13 シルエット
輪郭。全体の形。
14 フォルム
形。形式。
15 モデリング
立体感表明。肉づけしながら量感を表現していくこと。丸みをトーンでと
らえること。
16 テクスチャ
物の材質感。表面の感じ。素材感を最大限に生かす効果があります。
17 デティール
詳細な部分。デティールを描くことで作品全体の質が高められます。
18 モチーフ
描くもの。表現の動機となったテーマ。
19 ドーサ
用紙の表面に塗ってあるしみこみ防止剤。一般の用紙はドーサ引き処理
がなされ、絵具ののりや発色がよいのでよく利用されています。修正し
易いといわれています。
20 ハイライト
光があたり白く反射している部分をいう。間違って塗ってしまわないよ
うにあらかじめその部分に印をつけておきましょう。
21 マッス
量感。塊。小さなものを一つの塊としてとらえること。
22 バリュー(明度)
対象物を白黒でとらえること。バリューを正しく表現することはいい絵を
描くうえで大切なことです。
23 ニュートラルカラー
補色どうしを混ぜ合わせてつくった色。影や薄暗いところ、鮮やかな色に
加えて色を抑えることもできます。
24 マッティング
絵に合わせ、くり抜いたマットに入れること。絵はマットに入れることで
一段と美しく見違えます。
25 コントラスト
対比。形、線、色などの対照。
26 ビネット
用紙の周りに白地を残してその中に描きいれる技法。白い部分が新鮮な感
じを与えます。
27 ビューグリッド
マス目が集まったのぞき窓。対象物の正しい比率や遠近感を知ることがで
きます。
28 シャドー
影。
29 ウォーターマーク
画用紙にはいっている透かしマークのこと。正しく読める方が表面となり
ます。 仏製のアルシュ紙などに使われています。
30 水張り
絵の具を広範囲に塗ったときに波打つことのないように、事前に紙を濡ら
し、周りをテープで台紙に貼り付けること
31 混色
透明水彩画にとって大切なことで、色が濁らないよう三色以内で混ぜ合わ
せ、少し多めに作っておきましょう。また、濁りの少ない色を使いましょ
う。ベースカラー、ウルトラマリン、カドミウム、バーントアンバー、イ
エローオーカーなど。
32 調和
絵全体として構図、明暗、バランス、陰影など統一して調和がとれている
ことが大切です。これが絵を描く上で一番大切なことと思います。
33
遠近法
自分から遠いものは小さく、近くは大きく描くのが基本となり、自分より上
の部分は見上げた形となり下の部分は見おろす形となります。色付けのとき
も遠くは薄い色で、近くは濃い色をおく。
34 カンバス
油絵に使う画布。
35 デフォルメ
変形して表現すること。いびつになる。
36 ガッシュ
不透明水彩絵具。
37 アクセント
調子を強める。画面に色彩や明暗により単調さをなくし全体を強調する。
3水彩画技法 (1〜21)
1 かすれ
筆に水分を少なくすると紙の凸部だけに絵の具がつくので、かすれた感じ
が表現でき、輝く水面や岩肌の材質感を表すのに効果があります。
2 にじみ
先に塗った色が乾かないうちに他の色を入れ好みの色にする。水分の乾き
具合によって水彩特有の彩色効果をつくり出せ、雲や山などに利用できます。
3 平塗り
水彩画の一般的な塗り方。たっぷりの絵の具をつけて一面に塗る。背景や
広い面を塗るのに適しています。
4 ぼかし
絵の具が乾かないうちに色を入れ塗り進む。シャープなところがでないよ
う水加減に注意しましょう。
5 塗り重ね
先に塗った色が乾いてから次の色を手早く塗り重ねる。下の色に重なり、微
妙な色が変化と深みを与え透明水彩の魅力が十分発揮されます。
6 吸い取り
塗った色が濡れている間に乾いた筆またはティッシュペーパーで色を抜き
取る。木の幹など単調なところで使用すれば変化がつき有効な方法です。
また、後で加筆も自由にできます。
7 色を抜く
誤って塗った場合などすぐ吹き取ればほとんどの紙は吸い取ることが出来ま
す。アルシュやファブリアーノ紙などは吸い取ることは難しい。
8 ドライブラシ
絵の具を含ませた筆の水分を布などで吸い取って描く技法。かすれた感じ
となり、質感が出やすい。
9 ウォシュ
広い面を均一に塗る基本的な技法。太い筆でたっぷり絵の具を含ませ一気
に広範囲に塗れます。(=平塗り)
10 マスキング
塗り残したいところに筆でマスキング液を塗る。乾けば絵の具を塗る。絵
具が乾けばラバーでマスキング液を取り除く。事前に紙とマスキング液が
離れやすいかテストをしておきましょう。
11 スパッタリング
筆、ブラシなどに絵の具を付け用紙にはねつけ絵の具を飛び散らす。古い
木目、小石や飛び散る波などの質感を容易に表現できます。
12 ブレンディング
一つの色彩から他の色彩へ変わるときの技法。丸みのある部分など色調を
整える技法。
13 洗い出し
濃い色を塗りすぎたり、色をうすくするとき濡れた筆で色をこすり取る、
または 濡らしておいて布でふき取ること。修正やハイライト部分に利
用する。
14 白を残す(直線に)
塗り残したいところにテープを貼り、白く塗り残す。事前にテープが紙
を傷めないかのテストをしておきましょう。
15 引っ掻く(掻き取る)
絵の具が乾く直前に先の鋭利なもので引っ掻いたり、かき取ることで木
の枝や草むらの感じをつくり出すことができます。
16 コレクション
修正。色彩が強すぎるときや塗りすぎて不揃いとなったときに直す。
17 グラデーション
明部から暗部へ穏やかに変化するのをウォシュで徐々に水を増やして
いく。
18 スクラッチ
先のとがったもので彩色した部分を引っ掻きおとす。その部分に筋が入
り岩やコンクリートなどがよりリアルに表現できる。
19 空気透視図法
遠くのものは空気の影響で輪郭がぼやけて寒色になり、色相はそのまま
ですが彩度が低くなります。風景画には重要な要素となります。
20 写真を描く
複数の写真を組み合わせて好きな構図を作り出すことができる。また、
写真は一瞬をとらえているので動きのあるものや陰影など描くには最適
です。
21 クロッキー
速写。短い時間で対象物を描く。
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